歯周病治療

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気づかないうちに進行する歯周病について

歯周病という病気の正体

歯周病は、歯そのものではなく歯を支える組織に炎症が起こる病気です。歯ぐきや、歯の根を取り囲む歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる骨が、細菌の出す毒素によって少しずつ壊されていきます。土台が痩せていけば植わっている歯はぐらつき始め、最終的にはぽろっと抜け落ちてしまうことになります。

日本人が歯を失う原因として最も多いのが、この歯周病です。虫歯と並んで語られることが多いものの、虫歯のように「歯が黒くなる」「ズキッと痛む」といった分かりやすい変化が現れにくく、ご本人が異変に気づいた頃にはかなり進行しているケースも珍しくありません。

歯周病を患った上顎の歯のイメージCG

自覚症状が出にくい理由

歯周病が厄介なのは、初期から中期にかけて自覚症状がほとんど現れないという点にあります。歯ぐきの中で骨がじわじわと減っていく一方で、痛みを感じる神経までは炎症が及びにくいため、ご本人は「特に問題はない」と思って過ごしてしまいがちです。

歯磨きの際にときどき出血する、朝起きたときに口の中がねばつく、歯ぐきの色が以前より濃く見える等、ささいな変化はすでに歯周病のサインであることが多いです。違和感が出てから受診したのでは、すでに歯を支える骨が大きく失われていることもあるため、定期的に歯科でチェックを受けることが何よりの近道となります。

厚生労働省が令和6年に実施した歯科疾患実態調査では、4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合は全体で47.8%にのぼり、年代を追うごとに上昇していくことが報告されています。(※1)特に55歳以降では半数を超えていることから、歯周病は決して一部の方だけの問題ではなく、年齢を重ねるほど身近になっていく病気だといえます。

歯周ポケットを有する割合の表

※1)4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合は、15~19歳が21.2%で最も低く、80~84歳が61.6%で最も高かった。また、歯周ポケット(4mm以上)を有する者の割合の年次推移において15歳~24歳及び75歳以上の年齢階級において概ね増加していた。

歯周病を引き起こすお口の汚れ

歯に付着したプラークのイメージ

歯垢(プラーク)

プラークは、私たちが普段「歯垢」と呼んでいる汚れの正体です。食べかすそのものではなく、口の中の細菌が食べ物の糖分などを取り込んで増殖し、歯の表面に積み重なってできた細菌の集合体です。1mgほどの小さな塊の中に、およそ1〜2億個の細菌が含まれているとも言われ、歯ぐきに炎症を起こす歯周病菌もこの中に潜んでいます。

プラークはやや黄白色でぬめりがあり、歯と歯ぐきの境目や歯と歯のすき間に溜まりやすい性質を持っています。うがい程度では落とすことができないため、歯ブラシを丁寧に当てて物理的にこすり落としていく必要があります。

歯に沈着した歯石のイメージ

歯石(しせき)

磨き残されたプラークは、唾液に含まれるミネラル成分と結びつき、時間の経過とともに硬く石灰化していきます。これが歯石です。歯石になると歯の表面にがっちりと張り付くため、ご自宅での歯磨きでは取り除くことができません。

歯石そのものが直接歯ぐきを攻撃するわけではありませんが、表面がざらざらしているため新しいプラークがさらに付着しやすく、結果として細菌が留まり続ける温床になります。歯石の除去は、歯科医院で専用の器具を使って機械的に取り除く必要があります。

歯の表面に形成されたバイオフィルムのイメージ

バイオフィルム

口の中の細菌は、歯の表面に薄い膜のような構造をつくって身を守ります。この膜が「バイオフィルム」です。台所の排水口にできるぬめりや、長く放置した花瓶の内側に張り付くぬるつきと同じ仕組みのもので、いったん形成されると外からの薬剤や唾液の作用が中まで届きにくくなります。

洗口液でうがいをしても歯周病が改善しないのは、このバイオフィルムが細菌を覆ってしまうためです。バイオフィルムを壊すには物理的に剥がし取ることが最も効果的であり、歯科医院で行うクリーニング(PMTC)やパウダークリーニングなどが有効な対処法のひとつとされています。

歯周病が進行すると現れるサイン

歯ぐきの腫れ・赤み

健康な歯ぐきは引き締まった淡いピンク色をしていますが、炎症が起きるとぶよぶよと腫れぼったくなり、色も赤紫がかった濃い色味へと変わっていきます。

鏡で見たときに以前と歯ぐきの印象が違うと感じたら、すでにサインが出ている状態かもしれません。

噛んだときの違和感

食事のときに「なんとなく噛みにくい」「特定の歯で噛むと浮いた感じがする」と感じるようになったら注意が必要です。

歯を支える骨が減ってきているサインで、ぐらつきが進めば硬いものが噛めなくなり、食生活そのものに影響が出てきます。

歯が長く見える

炎症が続くと歯ぐきが下がっていき、それまで歯ぐきに隠れていた歯の根の部分が露出してきます。

鏡を見たときに「以前より歯が伸びたように見える」「歯と歯のすき間が目立つ」と感じる場合、歯周病による歯ぐきの退縮が進んでいる可能性があります。

朝の口のねばつき

就寝中は唾液の分泌が大きく減るため、もともと細菌が活動しやすい時間帯です。歯周病が進んでいると、朝起きたときに口の中が特にねばついたり、苦味や不快なにおいを感じやすくなります。

毎朝のように同じ症状を感じるなら、一度歯科でチェックを受けると安心です。

歯周病と全身の健康

歯周病はお口の中だけの問題と思われがちですが、近年の研究によって、全身のさまざまな疾患と関わっていることが分かってきました。歯ぐきの炎症で生じた物質や歯周病菌そのものが血管を通じて体内をめぐり、離れた臓器にまで影響を及ぼすと考えられています。

具体的には、糖尿病の悪化、動脈硬化や心筋梗塞などの循環器疾患、誤って気管に入り込んだ細菌による肺炎、妊娠中の方では早産や低体重児出産のリスクなどが指摘されています。お口の健康を保つことは、結果として全身の健康を守ることにもつながります。

胸を押さえる女性のイメージ

アップル歯科八尾の歯周病治療

歯科衛生士による基本治療

歯周病治療の出発点は、原因となるプラークと歯石を徹底的に取り除くことです。歯ぐきの上に付着した歯石は、歯科衛生士が「スケーリング」と呼ばれる処置で器具を使って除去していきます。比較的軽度の歯周病であれば、このスケーリングと丁寧な歯磨き指導だけでも、歯ぐきの状態は大きく改善されていきます。

歯ぐきの内側、いわゆる歯周ポケットの奥深くに入り込んだ歯石には、SRP(スケーリング・ルートプレーニング)という処置で対応します。専用の器具で歯の根の表面をなめらかに整え、細菌が再び付着しにくい状態に仕上げる方法です。基本治療はいずれも保険診療の範囲内で行えるため、まずは検査を受けて現在の状態を把握するところから始めていきます。

歯科衛生士によるスケーリングの様子

重度歯周病への外科的アプローチ

基本治療を行っても症状が改善しないほど進行してしまった歯周病に対しては、外科的な処置が選択肢に入ってきます。代表的なものが歯周外科手術(フラップ手術)で、歯ぐきを一時的に切開して内部を直接見える状態にし、深いところに残っている歯石や炎症を起こした組織を取り除く方法です。

また、すでに失われてしまった歯ぐきや骨を取り戻すための治療として、下がった歯ぐきにご自身の組織を移植して厚みを回復させる歯肉移植(FGG・CTG)や、溶けてしまった骨の再生を促すエムドゲイン・GBRといった再生療法もあります。患者様のお口の状態によって適した治療法は異なりますので、検査結果をもとにいくつかの選択肢をご提案いたします。

重度歯周病に対する外科的治療のイメージ

再発を防ぐためのメンテナンス

歯周病はいったん治療で症状が落ち着いても、ご自宅でのケアと歯科医院でのケアを続けていかないと、再び進行してしまいやすい病気です。毎日の歯磨きでどれだけ気をつけていても、歯ブラシだけでは届かない部分は必ず残ってしまい、そこに少しずつ汚れが蓄積していきます。

定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、ご家庭では落としきれない汚れやバイオフィルムをリセットし、歯周ポケットの状態に変化が起きていないかをチェックすることができます。一度悪くなった部分を再び失わないために、治療後の定期的な歯科でのメインテナンスをご活用ください。

歯周病の定期メンテナンスの様子
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歯周病治療 | 公開日: 2026/07/14 | 更新日: 2026/07/14 | by アップル歯科六本松

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